こんにちは、おろちまるです。
連載シリーズ、アメリカ留学→OPT駐在のクレジットカード発行戦略その④では、
フレキシブルポイントの種類・使い道
を紹介します。
いつおすすめクレジットカードを紹介するんだ!という声が聞こえてきそうですが、もう少しお付き合いください。
Ⅰ.フレキシブルポイントについて理解しよう
クレジットカードを選ぶにあたり、まずフレキシブルポイントの種類や使い道について知っておきましょう。
1.フレキシブルポイントって?
数あるポイントプログラムのうち、エアラインマイルやホテルポイントに交換したり、1ポイント=1ドル換算で特定のウェブサイトで買い物したりなど、様々な使い方ができるポイントは「フレキシブルポイント」と呼ばれています。日本でもAmexの発行するメンバーシップ・リワーズ(MR)ポイントなどは有名ですね。僕は日本で使用していたANAダイナースカードの場合は「ダイナースクラブポイント」、オリコ・ザ・ポイントカードの場合は「オリコポイント」という名称でした。そのまんまの名前ですね。
2.アメリカでおすすめのフレキシブルポイント
アメリカの場合もこういう風に分かりやすければ良いのですが、似た名前だったりやや覚えにくいです。アメリカでは、次の4つのフレキシブルポイントが使い勝手が良いのでおすすめです。
①American Express(Amex)=Membership rewards point(MRポイント)
②Chase=Ultimate Rewards point (URポイント)
③Citi=Citi ThankYou points(ThankYouポイント)
④Marriott Bonvoy point(Marriottポイント)
ちなみに、MRポイントは単にAmexポイントと呼ばれたりもしますが、②や③ChaseポイントやCitiポイントと呼ばれているのはあまり耳にしません。陸マイラーには通じるとは思いますが。
Ⅱ.フレキシブルポイントの使い道
次に、各フレキシブルポイントの使い道を見ていきましょう。
1.MRポイント(Amex)
Amexが発行するMenbership Rewards(MR)ポイントです。Amex Green、Gold、Platinum、Business Blue Plus、Amex EverydayなどのAmexプロパーカードで貯めることができます。
以下の利用法があります。
①エアラインマイルやホテルポイントに交換(トランスファー)
②Amexポータルでのフライト・ホテル予約及びフライトアップグレード
③Amexポータルでのショッピングに利用
④提携モール(Amazon等)でのショッピングに利用
⑤ギフトカードに交換
⑥カード残高に充当
上記③から⑥の利用は1ポイントの価値が低くなってしまうため、あまりおすすめできません。そのため、上記①と②について解説します。
1-1.エアラインマイルに交換
交換可能な航空会社は以下のとおりです。
※括弧内はマイレージプログラム名
- ANA(ANAマイレージクラブ)
- AER LINGUS(AERCLUB)
- AEROMEXICO(CLUB PREMIER)
- AIR CANADA(Aeroplan Miles)
- AIR FRANCE KLM(Flying Blue)
- ALITLIA(MILLEMIGLIA)
- CATHEAY PACIFIC/DRAGON(Asia Miles)
- AVIANCA(Lifemiles)
- BRITISH AIRWAYS(Executive Club)
- DELTA AIR LINES(Delta Skymiles)
- EL AL ISRAEL AIRLINES(Frequent Flyer Club)
- EMIRATES(Skywards Miles)
- ETIHAD AIRWAYS(Ethihad Guest Miles)
- HAWAIIAN AIRLINES(HawaianMiles)
- IBERIA PLUS(Iberia Plus)
- JETBLUE AIRWAYS(TrueBlue)
- QANTAS LOYALITY(Frequent Flyer)
- SINGAPORE AIRLINES(KrisFlyer)
- VIRGIN ATLANTIC AIRWAYS(Flying Club)
JETBLUEとEL AL ISRAEL AIRLINESを除き、1ポイント=1マイルでの交換となります。交換はJETBLUEとQANTAS を除き1000ポイント単位からです。
また、ときどき特定の航空会社のマイル交換レートが有利になるキャンペーンを開催しています(この記事を書いている時点ではAEROMEXICOが1:2になっています)。ただし、これまでANAの交換レートが有利になったことはありません。
交換には手数料もかからず、また交換マイル数に上限はありません。日本Amexのメンバーシップリワーズプログラムでは、改悪に次ぐ改悪で、(ANAダイナースカードなど一部のカードを除き)ANAマイルを交換するために有料プログラムに入る必要があったり、移行マイル数の上限が4万マイルだったりとかなりの制限があります。それと比較するとずいぶん太っ腹ですね。
特典航空券発券に必要なマイル数や提携路線の豊富さ等からいって、使いやすいエアラインは太字のエアラインでしょうか。国際線は往復しか取れないので使い勝手がそれほど良くないですが、日本への(一時)帰国等も考えると、やはりANAマイルが交換先にあるのは嬉しいですね。
1-2.ホテルポイントに交換
交換可能なホテルポイントは以下の3つです。
- Coice(Choice privileges)
- Hilton(Hilton Honors)
- Marriott(Marriott Bonvoy)
Choiceは1:1、Hiltonが1:2、Marriottが1:1となっており、あまり交換レートは良くありません。
こちらもたまにレートが有利になるキャンペーンを実施しており、最近ではHiltonのレートが1:3になったこともありました。Hiltonポイントは1ポイント=0.3セントほどの価値で見積もられることが多いので、それでもあまりレートが良いとは言えませんが、必要なポイントに少し足りない…というときなどは便利です。唯一交換の選択肢に入るのはHiltonでしょう。
1-3.Amexポータルでのフライト・ホテル予約及びフライトアップグレード
Amexはフライトやホテル等の検索ができるExpediaのようなポータルサイト(https://consumer-travel.americanexpress.com/flight)を運営しており、予約したいフライト・ホテルへの支払や、既に予約したフライトのアップグレードにMRポイントを使用することができます。1MRポイント=1セントの計算なので悪くはありませんが、フライトに関して言えばエアラインマイルに交換した方がお得なのは間違いありません。例えればANAスカイコイン的な使い方だと言えます。
2.URポイント(Chase)
Chaseが発行するカードの中でも上位カードと言われる以下の3つのカードのうちどれかを有していると、Chase発行のフレキシブルポイントであるUltimate Rewards Point(URポイント)を貯めることができます。
・Chase Sapphire Reserve
・Chase Sapphire Preferred
・Chase Ink Business Preferred
以下の利用法があります。
①エアラインマイルやホテルポイントに交換(トランスファー)
②Chase Ultimate Rewards Travelでのフライト・ホテル予約等
③Chase Ultimate Rewards Shoppingでのショッピングに利用
④提携モール(Amazon等)でのショッピングに利用
⑤ギフトカードに交換
⑥カード残高に充当
⑦キャッシュバック(1ポイント=1セントで現金化)
⑦のキャッシュバック以外は、だいたいAmexのMRポイントでできることと同じですね。やはり①と②以外の使い方は1ポイントの価値が低くなってしまいおすすめできません。
2-1.エアラインマイルに交換
交換可能な航空会社は以下のとおりです。
※括弧内はマイレージプログラム名
- AER LINGUS(AERCLUB)
- BRITISH AIRWAYS(Executive Club)
- EMIRATES(Skywards Miles)
- AIR FRANCE KLM(Flying Blue)
- IBERIA PLUS(Iberia Plus)
- JETBLUE AIRWAYS(TrueBlue)
- SINGAPORE AIRLINES(KrisFlyer)
- SOUTHWEST AIRLINES(Rapid Rewards)
- UNITED AIRLINES(United MileagePlus)
- VIRGIN ATLANTIC AIRWAYS(Flying Club)
いずれも1:1のレートで1000マイル単位で交換可能です。 Amexの提携エアラインより少ないですが、UNITEDは特にアメリカ東海岸に住んでいる人にとっては使いやすいエアラインです。あまりサービスの評判はよろしくありませんが、個人的にはこれまで特に問題に感じたことはありません。また、SOUTHWESTはアメリカ国内を旅行にするには便利です。その他は太字のエアラインが使いやすいと思いますが、だいたいAmexの提携エアラインと共通していますね。
2-2.ホテルポイントに交換
交換可能なホテルポイントは以下の3つです。
いずれも1:1の交換レートになっています。この交換レートではHyattが断然おすすめです。Hyattは他のホテルプログラムと比較しても無料で宿泊するための必要ポイントがかなり低めに設定されており、ハイグレードのホテルに泊まる場合のポイント価値がかなり高くなるからです。
2-3.Chase Ultimate Rewards Travelでのフライト・ホテル予約等
Amexと同様、Chaseもフライトやホテル等の検索ができるポータルサイト(https://www.chase.com/personal/credit-cards/ultimate-rewards)を運営しており、予約したいフライト・ホテルへの支払にURポイントを使用することができます。Amexと異なるのは、1URポイント=1.25セントから1.5セント換算で使用できる点です。Chase Sapphire Reserveのホルダーは1.5セント、Sapphire Preferrd、Business Ink Preferredのホルダーは1.25セントで使用できます。Reserveのように1.5セントで使用できる場合はまだしも、フライトに関して言えばやはりエアラインマイルに交換した方がお得だと考えます。
3.ThankYouポイント(Citi)
次にCitiが発行するThankYouポイントです。Citiが発行する以下のカードで貯めることができます。
・Citi ThankYou Rewards Card
・Citi ThankYou Rewards+ Student Card
・Citi ThankYou Premier Card
・Citi Prestige Card
・AT&T Access Card from Citi
以下の利用法があります。
①エアラインマイルに交換(トランスファー)
②ThankYouポータルでのフライト・ホテル予約等
③ThankYouポータルでのショッピングに利用
④提携モール(Amazon等)でのショッピングに利用
⑤ギフトカードに交換
⑥カード残高に充当
⑦キャッシュバック(2ポイント=1セントで現金化)
はい、だいたいMRポイントやURポイントと同じですが、ホテルポイントの提携パートナーがいないのが残念ですね。同様に、①と②以外の使い方は1ポイントの価値が低くなってしまいおすすめできません。
3-1.エアラインマイルに交換
- AVIANCA(Lifemiles)
- AIR FRANCE KLM(Flying Blue)
- CATHEAY PACIFIC/DRAGON(Asia Miles)
- ETIHAD AIRWAYS(Ethihad Guest Miles)
- EVA AIR(Infinity MileageLands)
- JET AIRWAYS(JetPrivilege)
- JETBLUE AIRWAYS(TrueBlue)
- MALAYSIA AIRLINES(Enrich)
- QANTAS LOYALITY(Frequent Flyer)
- QATAR AIRWAYS(Privilege Club)
- SINGAPORE AIRLINES(KrisFlyer)
- THAI AIRWAYS(Royal Orchid Plus)
- TURKISH AIRLINES(Miles & Smiles)
- VIRGIN ATLANTIC AIRWAYS(Flying Club)
いずれも1:1のレート、一部を除き基本的に1000マイル単位で交換可能です。 なかなか個性的なエアラインが揃っています。太字のエアラインがおすすめですが、全体としてやや上級者向けと言っても良いでしょう。AVIANCA航空はスターアライアンスなのでANAを含め豊富な路線のフライトをゲットできますし、バイマイルもできるので便利です。またTURKISH(トルコ)航空も同じスターアライアンスで評判の良いエアラインです。ストップオーバーができたり、同伴者のマイル数が割引になったりするなど面白い使い方ができるプログラムです。私は試したことがありませんが、アメリカ国内→ハワイを超お得に発券できる裏技も存在します。
3-2.ThankYouポータルでのフライト・ホテル予約等
Citiもフライトやホテル等の検索ができるポータルサイト(https://www.thankyou.com/cms/thankyou/)を運営しています。予約したいフライト・ホテルへの支払にThankYouポイントを1ポイント=1.25~1.33セント換算で使用することができます。やはりエアラインマイルに交換した方がお得です。
4.Marriottポイント(Marriott Bonvoy)
旧MarriottとSPGが合併して誕生したMarriott Bonvoyのポイントです。基本はホテルポイントなのですが、かなり多くのエアラインマイルと交換でき便利であるため、便宜上フレキシブルポイントとして取り扱っています。クレジットカードでは、Amex又はChaseが発行するMarriott系カードでポイントを貯めることができます。MRポイントやURポイントからもトランスファー可能ですが、交換レートが良くないためおすすめしません。
交換できるエアラインマイルとレートは以下のとおりです。
AEGEAN Miles+Bonus |
3:1 |
Aeroflot Bonus |
3:1 |
Aeromexico ClubPremier |
3:1 |
Air Canada Aeroplan |
3:1 |
Air China PhoenixMiles |
3:1 |
Air France-KLM Flying Blue |
3:1 |
Air New Zealand Airpoints |
200:1 |
Alaska Airlines Mileage Plan™ |
3:1 |
Alitalia MilleMiglia |
3:1 |
American Airlines AAdvantage® |
3:1 |
ANA Mileage Club |
3:1 |
Asiana Airlines Asiana Club |
3:1 |
Avianca LifeMiles |
3:1 |
British Airways Executive Club |
3:1 |
Cathay Pacific Asia Miles |
3:1 |
China Eastern Airlines Eastern Miles |
3:1 |
China Southern Airlines Sky Pearl Club |
3:1 |
Copa Airlines ConnectMiles |
3:1 |
Delta SkyMiles® |
3:1 |
Emirates Skywards® |
3:1 |
Etihad Guest |
3:1 |
FRONTIER Miles |
3:1 |
Hainan Airlines Fortune Wings Club |
3:1 |
Hawaiian Airlines HawaiianMiles® |
3:1 |
Iberia Plus |
3:1 |
InterMiles |
3:1 |
Japan Airlines JAL Mileage Bank |
3:1 |
JetBlue TrueBlue |
6:1 |
Korean Air SKYPASS |
3:1 |
LATAM Airlines LATAM Pass |
3:1 |
Multiplus Fidelidade |
3:1 |
Qantas Frequent Flyer |
3:1 |
Qatar Airways Privilege Club |
3:1 |
SAA Voyager |
3:1 |
Saudia Alfursan |
3:1 |
Singapore Airlines KrisFlyer® |
3:1 |
Southwest Rapid Rewards® |
3:1 |
TAP Air Portugal Miles&Go |
3:1 |
Thai Airways Royal Orchid Plus |
3:1 |
Turkish Airlines Miles&Smiles |
3:1 |
United MileagePlus® |
3:1.1 |
Virgin Atlantic Flying Club |
3:1 |
Virgin Australia Velocity Frequent Flyer |
3:1 |
ついに日本航空(JAL)が出てきましたね笑 JAL派には悲しいお知らせですが、アメリカでJALマイルを貯めようと思ったら、JAL USAカードで1ドル=1マイルで貯めるか、Marriott Bonvoyポイントを貯めてJALマイルにトランスファーするしかありません。60,000ポイント交換するごとに5000マイルのボーナスがつくので、60,000ポイント=25,000マイルの交換レートです。
その他のエアラインで、MRポイント、URポイントからトランスファーできない使い勝手の良いものとしてAmericanやAlaskaがあります。
Ⅲ.フレキシブルポイントをおすすめする理由
以上、おすすめクレジットカードの紹介に入る前にフレキシブルポイントの解説をしたのには理由があります。サインアップボーナスやカード利用でフレキシブルポイントがもらえるカードは、キャッシュバックがもらえるカードよりも断然おすすめだということを理解してもらうためです。
キャッシュバックも悪くはないのですが、1セントはどう頑張っても1セントのままです。他方、一般的にマイル・ポイント界隈では、(ポイントごとに多少の差こそあれ)フレキシブルポイントは1ポイント=約2セントの価値があると言われています。
さらに、ポイントをエアラインマイルに交換しビジネスクラスの特典航空券を予約した場合や、ヒルトンやマリオット等のホテルポイントに交換し高級ホテルの予約した場合など、ポイントの使い方によっては1ポイント=5セント以上(1万ポイント=500ドル以上)の価値になることもあります。
いわゆる陸マイラーと呼ばれる人たちがマイルやホテルポイントを貯めることに夢中になる理由は、これらのポイントで圧倒的にお得にビジネスクラスで旅行したり、無料でホテルに宿泊することができるからなのです。
そのため、僕も基本的にキャッシュバックがもらえるカードではなく、これらのフレキシブルポイント、あるいは直接マイルやホテルポイントをもらえるカードを中心におすすめします。
Ⅲ.さいごに
いかがでしたでしょうか。
今回の記事では、原則としてフレキシブルポイント>キャッシュであり、アメリカのクレジットカードは、フレキシブルポイントが貯まるカードを中心に申請した方が良いことについて解説しました。
次回は、申請の際に損しないようプライベートモードについて解説したいと思います。
おろちまる 拝