こんにちは、おろち丸です。
この記事では、アメリカのクレジットカードの基礎知識として、
クレジットスヒストリー/クレジットスコア
についてQ&A形式で解説します。
※以下の記事のクレジットスコア解説部分をQ&A形式でアップデートしたものです。
目次
Ⅰ.クレジットヒストリーとスコアについて知ろう!
Q1.クレジットヒストリー/クレジットスコアってなに?
A:簡単に言えば、その人の信用度を数値化したものです。
アメリカではEquifax、Experian、TransUnionという三大クレジットビューロー(信用情報機関)が個人の信用情報をクレジットヒストリーとして管理しており、これらのビューローがクレジットヒストリーを基にその人の信用度を数値化したものをクレジットスコアと呼んでいます。アメリカでは就職やアパートメントの契約時等にもスコアが参照されており、社会的信用度の尺度になっています。
Q2.クレジットカード申請に何の関係があるの?
A:クレジットカード発行会社は、これら3大ビューローのどれか(あるいは複数)に問い合わせを行い、クレジットカード申請者の与信情報をチェックをしています。クレジットスコアが高い=その人の信用力が高いということになり、クレジットカードの審査に通りやすくなりますし、クレジットリミットが有利になります。
Q3.クレジットヒストリー/スコアはどこで見られるの?
A:クレジットカードのアカウント(Amex、Chase等)や、ExperianやCredit Karmaといったサイトで無料で見られます。
Amexのアカウントだと以下の赤枠部分から。
Chaseは以下の赤枠部分から。
Experian↓
Credit Karma↓
Q4.クレジットスコアが信用調査会社によって異なるのはなぜ?
A:それぞれ採用しているスコアの計算方法が異なるからです。
各ビューローで採用しているクレジットスコア算定モデルに違いがあります。厳密にいえばクレジットカードやローン審査などカテゴリによっても使われているモデルが異なりますが、代表的なものとしてVantageScore3.0やFICO Scoreがあります。
Q5.クレジットスコアって何点を目指せば良いの?
A:最低でも700超え(Good以上のランク)を目指したいところです。クレジットヒストリーの長さなどにもよりますが、それ以下だとおすすめクレジットカードを申請しても承認される可能性が低くなってしまうからです。
Q6.クレジットスコアのランクって?
A:各ビューロー共通して300点から850点で数値化する手法を採用してクレジットスコアを算出しています。数値に応じて下記のとおりランク分けしており、グレードの高いカードを申請するには最低でもGood以上のスコアを獲得している必要があると言われています。
(FICO スコア)
Very poor 300 ~ 579
Fair 580 ~ 669
Good 670 ~ 739
Very good 740 ~ 799
Exceptional 800 ~ 850
(Vantage スコア)
Very poor 300 ~ 499
Poor 500 ~ 600
Fair 601 ~ 660
Good 661 ~ 780
Excellent 781 ~ 850
Ⅱ.クレジットスコアの上げ方について知ろう!
Q7.クレジットスコアは何に左右されるの?
A:以下の情報がスコアに影響します。
①Payment History(支払履歴) 35%
②Amounts Owed(借入残高) 30%
③Length of Credit History(クレジットヒストリーの長さ) 15%
④New Credit(新規アカウント開設) 10%
⑤Credit Mix(ローンやモーゲージなど構成するクレジットアカウントの種類) 10%
以下の図は、FICOスコアが公表しているクレジットスコア算出要素と影響度割合です。
Q8.クレジットスコアを上げるにはどうすれば良いの?
A:期限に遅れることなくコツコツと支払い、できるだけ残高を残さないようにしてください。
Q7で見たとおり、クレジットスコアの影響度割合の7割近くは、クレジットの支払に関するものです。そのため、期限に遅れることなくコツコツと支払い、できるだけ残高を残さないようにすれば、自然とクレジットスコアは上がっていきます。
要は、
・クレジットカードの支払期限日に遅れて返済する
・クレジットカードを限度額まで使いきる
といったことをしないようにしましょうということです。
Q9.クレジット借入残高はどれくらいの水準にキープすれば良いの?
A:理想は0%から30%。
クレジットカードの借入残高は低ければ低いほど良いですが、一般的にはクレジットリミットの30%以下にする($10,000のリミットなら$3,000を超えないように返済する)ことが理想と言われていますので目安としてください。
なお、クレジットレポートに現れる残高は、クレジットカードの締め日時点のものです。そのため、小技として、締め日前に支払いを行い残高を低くキープすることで、クレジットスコアを高く保つことができます。
特に、支出が多くなる時期に締め日前の残高がリミット近くにならないように注意しましょう。これで僕は一度リミットの60%くらいになり、クレジットスコアが急激に(-30ほど)下がったことがあります。。
Q10.支払以外に注意した方が良い点はある?
A:支払以外にも、以下の点に注意しましょう。
①Hard Inquiry
②クレジットカードの解約
③クレジットカードの新規発行
Q11.Hard Inquryって?
A:クレジットカードやローンの審査の際に、審査側が信用情報をチェックすることです。
クレジットカードを申請すると、カード発行会社はクレジットヒストリーを確認するためにクレジットビューローに照会を行います。これをHard Inquiryといい、原則としてクレジットレポートに2年間記録されます。レポートに残るものをHard Inquiry、残らないものをSoft Inquiryと区別しています。Hard Inquiry1回当たりクレジットスコアが2〜5点下がります。短期間で複数枚のクレジットカードに申し込むと、そのたびにHard Inquiryがなされるので大きくスコアを下げることにつながります。また、短期間にHard Inquiryの記録が多数あると多数のクレジットカードやローンの申請をしていることが分かってしまい、クレジットカード会社がカードの発行を躊躇する要素になってしまいます。
Q12.なぜすぐにクレジットカードを解約しない方が良いの?
A:クレジットヒストリーが短くなってしまい、結果としてクレジットスコアが低下してしまうからです。
クレジットヒストリーの長さはクレジットスコアに中程度の影響力を有します。クレジットヒストリーの長さは、現在保有するクレジットカードの保有期間の平均値に影響されます。そのため、長期間保有しているクレジットカードを解約してしまうと、その分クレジットカード保有期間の平均値が低下し、クレジットヒストリーが短くなってしまい、結果としてクレジットスコアが低下してしまいます。
そのため、もう使わなくなったからといって、むやみに解約することは避けましょう。例えば、最初に発行したANA USAカードをもう使わないからといって1年目に解約すべきではありません。
Q13.新規発行がクレジットスコアに影響するってどういうこと?
A:開設したアカウントが多くなること自体はスコアに良い影響を与えますが、クレジットカードの保有期間の平均が短くなることは悪影響になります。
新規にクレジットカードが発行されること自体は、発行会社が与信チェックの結果信用できると判断された結果ですので、スコアに良い影響を与える要素になります。一方で、クレジットヒストリーの長さは、現在保有するクレジットカードの保有期間の平均に影響されます。そのため、新たにクレジットカードを発行すると、その分クレジットカードの保有期間の平均値が下がり、クレジットスコアが下がります。
例えばANA USAカードを発行して1年間使用した後、新たにカードを発行すると(12か月+0か月)÷2=6か月が平均保有期間になります。新規にカードを発行すればするほど保有期間の平均が下がり、クレジットスコアが低下してしまうことになるため、無駄なカードを沢山作らないようにしましょう。 原則としてビジネスクレジットカードはクレジットレポートに表示されないため、保有期間に影響を与えることはありません。
Ⅲ.さいごに
いかがでしたでしょうか。今回はクレジットヒストリーとクレジットスコアについて、Q&A形式で解説しました。皆さまのお役に立てば幸いです。
おろち丸 拝